九十九屋さんたの妖怪古今録
台風、嵐といったものにも、妖怪が関わっているという伝承があります。
その名を一目連 イチモクレン といいます。
正確にいうならば妖怪というよりは神様といわれる存在でしょうか。
一目連は、多度大社(三重県)の別宮である一目連神社に祀られています。
今では通常の神社と変わりませんが、昔は一目連が出やすいように扉は開け離れたままだったと言われています。火の玉となって飛び回り、嵐を起こすのだと。
普通の嵐と違うのは、自然の台風のように周り全てを壊すのではなく、その通り道以外は被害がない事から一目連のものとわかったのだそうです。その跡から、一目連は、大蛇であるため一目龍ともいわれました。
しかし、一目連の力が知られているのは、時折遊行する際の所業ではなく、嵐にあった時にもたらす力です。
洪水になった時に、白馬が現れ、それと共に火の玉が現れ、洪水が来るのを止めました。命永らえた村人が一目連神社に行くと、藻が馬に付いていたといいます。
一目連はその名前から天目一箇神と、もともとは違う神様だったものですが、同じ存在と考えられるようになりました。一目連神社の祭神も天目一箇神となっております。
ところで一目連はみなさんの聞いている言葉に残っているのですが、それは何だと思いますか? 答えは次回に。
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