新居浜・西条お役立ち情報館
現役理学療法士によるリハビリテーションの考え方を取り入れた「自宅でできるちょっとした健康トレーニング」をご紹介。今回は「腰痛」を和らげるトレーニング解説です!
年齢に関係なく、肩こりとともに不快な症状として表れやすい『腰痛』。
在宅ワーク・リモートワークの増加とともに、若い人にも悩みを抱えている方が増えています。
前回の記事では、腰痛の基礎知識と主な原因となる「身体の歪み」について、チェックする方法をお伝えしました。今回は毎日の生活の中で取り入れられる“リハビリ編”となります。
腰痛を和らげる・予防するためのストレッチや筋力強化トレーニングを紹介していきます。
それでは、早速「歪み」のタイプに応じた簡単トレーニングを実践してみましょう。自分の歪みタイプの診断については、前回の記事で紹介したチェック方法をご覧ください。
骨盤前傾タイプの方におすすめのメニューです。
▼緩める部位
・前もも
・背中
▼鍛える部位
・おなか(腹筋)
・おしり
頑張りすぎている筋肉はストレッチをしてゆるめ、うまく使えていない筋肉はトレーニングで鍛えていきましょう。
以下の動きを、左右10秒ずつ&2セット行ってみましょう。
柔軟性などに応じて難易度別のポーズを紹介するので、無理せず出来るポーズを1つ選んで行ってみてください。
◆難易度レベル1
床に座り、片方のひざを曲げ、もう片方の足を前に伸ばします。
◆難易度レベル2
レベル1のポーズに余裕があって、もう少し前ももの“伸び”を感じたい場合は、上半身を後ろに倒していきます。
※肘をついてもかまいません。
◆難易度レベル3
さらに余裕のある方は、レベル3のポーズにチャレンジ!
(1)片ひざを立てます。
(2)後ろの足の甲を手でつかみます。
(3)2で掴んだ足をゆっくりとおしりの方に引き寄せます。
2つのポーズを紹介します。
こちらは、左右は関係ないポースなので、それぞれのポーズを20秒キープしてみましょう。
◆ひざ抱え
(1)仰向けに寝て、ひざを抱えます。
(2)そのまま、20秒キープします。
◆チャイルドポーズ
(1)正座の姿勢で座ります。
(2)床に手をつき、力を抜いて前屈のように前に伸びます。
※正座の姿勢は、ひざの間に「こぶし1つ分」ぐらいの隙間を開けます。
★チャイルドポーズのポイント
・足は重ねず、つま先は寝かせておきます。
・両腕を脱力させ、おでこを床につけます。床につけるのが難しい場合は、タオルや枕などを敷いてもOKです。
2つのポーズを紹介します。
毎日少しずつでいいので続けてみましょう。
◆ドローイン(10回)
(1)仰向けに寝て、背中の隙間に手を入れます。
(2)息を吸い、吐きながら手をつぶすイメージで床に背中を押し付けていきます。
※吸って吐くまで、約5秒が目安です。
※おなかをへこませながら行うと効果的!
◆プレーシング(10秒キープ)
(1)仰向けに寝ます。
(2)両足を持ち上げ、ひざを90度に曲げてキープします。
※背中が反らないよう、背中は床に押し付けておきます。
ヒップアップのトレーニングです。
両足で支えるバージョンと片足のみで支えるバージョンの2つを紹介します。ご自身の今の筋力に応じて、出来る方をやってみましょう。
◆両足ヒップアップ(10回×2セット)
(1)仰向けに寝ます。
(2)肩からひざにかけて一直線になるようにおしりを持ち上げます。
(3)おしりを下ろして、動きを繰り返します。
◆片足ヒップアップ(左右10回ずつ)
両足ヒップアップに余裕がある場合は、片足をもう片方のひざにかけ、同様の動きを行ってみましょう。
※腰が反らないように注意します。
骨盤前傾タイプの方におすすめのメニューです。
▼緩める部位
・もも裏
・おしり
▼鍛える部位
・前もも
頑張りすぎている筋肉はストレッチをして緩め、うまく使えていない筋肉はトレーニングで鍛えていきましょう。
柔軟性などに応じて難易度別のポーズを紹介するので、無理せず出来る方のポーズで行ってください。
◆難易度レベル1(左右10秒×2セット)
(1)片足のかかとを身体の方へ引き寄せて曲げ、もう片方の足を伸ばします。
(2)伸ばしている足のつま先へ手を伸ばしてキープします。
◆難易度レベル2(10秒×2セット)
より深くストレッチしたい方はレベル2にチャレンジ!
(1)両足を伸ばして床に座ります。
(2)つま先に手を伸ばしてキープします。
柔軟性などに応じて難易度別のポーズを紹介するので、無理せず出来る方のポーズで行ってください。
◆難易度レベル1(10秒×2セット)
(1)仰向けに寝ます。
(2)両ひざを抱えたポーズでキープします。
◆難易度レベル2(左右10秒×2セット)
(1)仰向けに寝て、ひざを立てます。
(2)片方のかかとをもう片方の足に乗せ、外へ開きます。
(3)下になっている足を持ち上げ、もも裏を抱える感じで胸の方へゆっくり引き寄せてキープします。
2つのトレーニングを紹介します。
◆足上げ(10回×2セット)
(1)仰向けに寝て、片方ひざを立てます。
(2)もう一方のひざをしっかり伸ばしたまま持ち上げます。
(3)ゆっくり下ろします。
★椅子に座って「ひざ伸ばし」でもOK!
自宅以外の場所など、床に寝るのが難しい場合でも出来る「椅子に座ったバージョン」でも似たトレーニングができます。
(1)椅子に座り、片方のひざを持ち上げて足を前に伸ばします。
(2)伸ばしきったら、ゆっくり下ろします。
※手を後ろについて支えても構いません。
◆スクワット(10回×2セット)
(1)立った状態で身体の前で腕を組み、おしりを後ろに引く感じで、ゆっくりひざを曲げます。
(2)ゆっくりひざを伸ばして姿勢を戻します。
★スクワットのポイント
・腕を組んだポーズのままが難しい場合は、壁やテーブルに手をついて支えてもOKです。
・ひざを曲げたとき、ひざがつま先より前に出ないよう気をつけましょう。
身体に歪みが出てしまうのはある程度はしかたのないことです。
しかし、身体の歪みを大きくしやすい「姿勢」や「動作のくせ」に気をつけることで、今回のテーマである腰痛はもちろん、頭痛や肩こりの軽減にも繋がります。
以下に紹介するような「姿勢」や「動作のくせ」がある方は、気がついたときでいいので「姿勢を正す」ことを心がけてみてください。
□ 片方に体重をかけて立つ・座る
□ 椅子に座るときに猫背になっている
□ スマホを見るときに大きくうつむき、首が前に出ている
□ 椅子に座るときに“足を組む”
□ 座っているときなどに“頬杖をつく”
□ バッグをいつも“同じ側の肩にかける”
図のように、まっすぐ立ったときに「耳の穴・肩・大転子・くるぶし」が一直線上にあるのが理想的な姿勢です。
※大転子:太ももの付け根の外側にある出っ張った骨のこと。
日常生活の中で姿勢を少し意識していくことで、腰痛の根本的な原因を改善していきましょう!
次回の更新もお楽しみに!
リハビリテーションとは、『Re(再び)+habilis(適した)+ation(~にすること)』という意味で構成された単語で、直訳では「再び適した状態にすること」となり、『本来の状態に能力回復すること』を意味します。
このように言われると堅苦しく聞こえるかもしれませんが、難しく考えずにちょっと意識して一緒に体を動かしてみませんか?
『運動』は、『運が動く』と書きます。
普段の生活にちょっとした運動をプラスすることで運を動かして、心も体も元気に過ごしてもらえたらなと思います。
1994年生まれ、新居浜市出身。
川崎医療福祉大学リハビリテーション学科卒業後、大阪府の回復期リハビリテーション病院に4年半勤務し、現在は訪問リハビリに従事。その他、高齢者を対象にした美容サービスを提供するケアビューティストとしてフリーで活動中。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。